Google、新AIエージェント型IDE「Google Antigravity」発表 透明性と自律性を備えた次世代開発環境とは？
米Googleは11月19日（現地時間）、AIエージェントを中心に据えたまったく新しい開発プラットフォーム「Google Antigravity」を発表しました。Windows・Mac・Linuxに対応しており、公式サイト「antigravity.google」からパブリックプレビュー版として無料でダウンロードできます。
AIエージェントが“作業の流れ”まで見える時代へ
「Google Antigravity」では、エージェントが行った作業内容が「アーティファクト」として整理されて提供されます。開発者は、あとでエージェントの作業プロセスを確認したり比較したりしやすくなり、従来よりも透明性の高い開発体験が実現されています。
次世代IDEとして設計された背景
GoogleはAntigravityを“エージェントファースト”の開発体験を目指した次世代IDEとして位置付けています。これまでのコーディングAIが抱えていた弱点を補うため、以下の4つの原則を組み合わせた初の製品であると説明しています。
4つのコア原則：Trust / Autonomy / Feedback / Self-Improvement
● Trust：作業過程が見える透明性
従来のAIは完成したコードだけを提示することが多く、「どうやってそのコードに辿り着いたのか」が分かりにくいという課題がありました。Antigravityでは、タスクリストや実行計画など、開発者が理解しやすい形で作業過程をアーティファクトとして提示。内容の妥当性を検証しやすくなっています。
● Autonomy：複数エージェントによる自律的タスク遂行
AIエージェントはエディター、ターミナル、Webブラウザーを自由に行き来しながら自律的に作業できます。時間のかかる複雑なタスクを複数のエージェントに同時に任せられるよう、管理用の「エージェントマネージャー」も用意されています。
● Feedback：コメントで改善を指示できる
以前のコーディングAIでは、成果物に満足できなくても“どこをどう直してほしいか”を伝えるのが難しい場面がありました。Antigravityでは、アーティファクトへの直接コメントやスクリーンショットを使ってフィードバックを送れます。エージェントはその指示をもとに改善タスクを繰り返し、より完成度の高い成果物へ仕上げることができます。
● Self-Improvement：会話から学び、経験を蓄積する
エージェントは過去のやり取りや作業内容を学習し、再利用可能な知識として蓄積します。長く使うほど“育っていく”エージェントになる点が大きな特徴です。
対応するAIモデル：Gemini 3・Claude Sonnet 4.5・gpt-oss など
利用できるAIモデルは複数から選択可能で、Googleの「Gemini 3」、Anthropicの「Claude Sonnet 4.5」、OpenAIの「gpt-oss」などがラインアップされています。特に「Gemini 3」を選んだ場合は、利用制限の緩和措置を受けられるケースもあるようです。
VS Codeベースのエディターとしても利用可能
Antigravityは、一般的なコードエディターとしても使用でき、インラインでAIによるコード提案が受けられます。エディターは「Visual Studio Code」がベースになっており、Windows環境ではx64だけでなくARM64でもネイティブ動作に対応しています。
ソフトウェア情報
名称：Google Antigravity
著作権者：Google
対応OS：Windows / Mac / Linux
ソフト種別：フリーソフト
バージョン：1.11.2（25/11/19）