安倍元首相銃撃事件裁判が最終局面へ｜山上被告「母の信仰が動機」と証言した理由とは
安倍元首相銃撃事件の裁判が最終局面へ
安倍晋三元総理が銃撃され死亡した事件の裁判が、大きな節目を迎えています。 被告人である山上徹也被告がついに証言台に立ち、自らの言葉で「母の信仰が事件の理由だった」と語りました。
事件とこれまでの裁判経過
山上被告（45）は3年前、奈良市で手製の銃を使い安倍元総理を殺害した罪などで起訴されています。 これまでの公判で、山上被告自身は起訴内容を認めており、弁護側は家庭環境の崩壊や不遇な生い立ちが動機に大きく影響したと主張してきました。
法廷には、母親と妹も証人として出廷し、母親が旧統一教会に多額の献金を続けたことで破産し、家庭が徐々に崩れていった様子が語られました。子どもたちが放置される中、家族全体が疲弊していった状況が明らかにされています。
被告人質問で見せた山上被告の姿
20日に始まった被告人質問で山上被告は、白髪まじりの長い髪を結び、落ち着いた口調で弁護人の質問に答えました。
「45歳まで生きていると思っていたか」
弁護士がこう尋ねると、山上被告は「生きているべきではなかった」と答え、事件の結果について深い後悔の念を述べました。 「このような結果になってしまい、ご迷惑をおかけした」と、自らの行為について謝罪の言葉を口にしました。
母親への思いと複雑な感情
弁護人が母親の信仰について質問した際、山上被告は「そこまで多額の献金をしなければよかった」と、母親への複雑な思いをにじませました。
また、母親が証人として裁判に出廷したことについては、「非常に辛い立場に立たせてしまった」と語り、「母の信仰が事件の理由となったことで、母自身も責任を感じている部分があるのだと思う」と胸の内を明かしました。
今後の焦点：動機の全容は語られるのか
山上被告の被告人質問は、今回を含めて計5回にわたって行われる予定です。 裁判は最終局面に入りつつあり、山上被告が安倍元総理を銃撃するに至った理由をどこまで詳しく説明するのか、大きな注目が集まっています。